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  1. キャッシュレス化の波に乗れ! 福岡市で大規模な実証実験がスタート(福岡県福岡市)

キャッシュレス化の波に乗れ! 福岡市で大規模な実証実験がスタート(福岡県福岡市)

日本でのモバイル決済の普及率は10%以下にとどまり、普及率が98%に上る中国に遅れをとってきました。しかし2016年のApple Payを筆頭に、Amazon PayやLINE Payなどさまざまな決済システムがスタート。

経済産業省が「キャッシュレス・ビジョン」を掲げた平成30(2018)年は、日本における“キャッシュレス元年”と言われています。

そこで今回は、この大きな波に乗るべく、2018年6月に大規模なキャッシュレス実証実験を始めた福岡市の取り組みをご紹介。

「インバウンド客の多い福岡では、モバイル決済のニーズが高かった」と福岡市経済観光文化局中小企業振興部の西依正博さんは語ります。外国人観光客が屋台に行った時に「現金でしか支払いができない」と言われ、「仕方ない」とそのまま帰ったという話はよく聞き、「中国で普及率の高い『Alipay(支付宝、アリペイ)』『WeChat Pay(微信支付、ウィチャットペイ)』には早急に対応する必要があると感じていました」(同)。

本当に経済効果は出るのか?市をあげての実証実験を決断

これからはキャッシュレスの時代。そうわかっていても、市で導入を補助するにはコストがかかります。また、導入できる店舗が少ないと利用者の利便性は低く、そもそもモバイル決済の仕組みが浸透していないため、店側が「面倒だ」と敬遠する可能性もありました。

加えて、実際に導入するとどのくらい経済効果があるのか。中小企業の生産性向上を支援する市としては、店舗の売り上げの変化や来店客の変化、事務作業の効率化を測るため、実証実験に至ったそうです。平成29(2017)年末に「キャッシュレスFUKUOKA」の構想が立ち上がり、公募への準備が始まったのは平成30年4月。5月の告知まで1カ月を切ったタイミングでした。

理解を得るため店舗に出向いて説明

公募で福岡市の施設、民間施設の二つに分けて民間事業者を募集。審査の結果、福岡市の施設は1社、民間施設は8社を採択しました。その後、屋台や商業施設、商店街などに対して実証実験の説明会を開催。モバイル決済の事業者にプレゼンをしてもらい、それぞれの店舗に合った決済システムを導入してもらう流れです。

実証実験への理解を得るため、6・7月は毎週のように市の担当者が商業施設やタクシー協会などに赴き、説明・調整していきました。結果、8月中旬から屋台での利用が開始され、順次繁華街の飲食店や商業施設などでもモバイル決済が始まっています。

この大きな変化が福岡市のキャッシュレス化を加速させていくきっかけになるでしょう。クルーズ船寄港回数日本一の港湾では、インバウンド客の増加を受けて岸壁の延伸工事を完了。キャッシュレス化で外国人旅行客の観光はさらに便利になり、都市の成長、生活の質の向上といった好循環が生まれると見込んでいます。西依さんは「福岡市内でキャッシュレスを広げ、モバイル決済ならではのリピーターの創出、生産性向上にうまくつなげていくとともに、観光都市・商業都市としての魅力を高めていきたい」と未来への展望を語ります。

今回の取り組みについて話す西依正博さん

How To

1、公募で事業者を募集し事業の公平性を保つ

モバイル決済は事業者ごとにQRコードを使う、タブレットを使うなど決済方法が異なる。店舗ごとにマッチする事業者も違うため、公募で広く事業者を募集。それぞれの店舗にベストな決済方法を選べるようにした。

2、店舗への説明会を実施事業者とマッチング

クレジット決済を取り入れていない屋台や商店街などに、モバイル決済の導入を促進したいと考えた。実証実験の案内を送って説明会を複数回開催。事業者によるプレゼンを実施した。説明会後に導入が進んでいない店舗へは市が個別に説明している。

3、モバイル決済の利便性を明確に

屋台だと1人でオーダーをとり、料理や会計をしなければならない。飲食店では会計に並ぶこともある。おつりを用意する必要がなく、外国人観光客の受け入れも容易で、入金がスピーディーなモバイル決済の利便性を明らかにし、利用促進を後押しする。

4、導入の手続きは各事業者で個別に進める

屋台や商店街の組合から理解が得られたら各事業者に案内して、個別にアポイントの日程を調整してもらう。店舗側へのフォローも個別にやりとり。事業者からの定例的な報告は求めず、店舗・エリアでの導入が決定した場合に報告をもらう。

5、プレスリリースをマスコミ各社に送付

実証実験をスタートするエリアや店舗が決まったら、プレスリリースを作成してマスコミ各社に告知。遅くとも導入前日までにはリリースを出す。屋台でモバイル決済がスタートするリリースは話題性が高く、地元の新聞全紙とテレビ全社から取材申請を受けた。

Results

〇キャッシュレス実証実験の公募を実施。福岡市の施設で1社、民間施設で8社の事業者が決定
〇複数の事業者を採択することで競争意識が芽生え、各社独自のサービスを実施。利用率アップを後押し
〇屋台での実証実験開始のニュースは新聞・テレビ全社が取材。キャッシュレスの周知につなげた

福岡市民のモバイル決済の利用率が上がるように、各事業者が割引やキャッシュバックキャンペーンを実施しています。実証実験をもとに、事務作業はどの程度効率化されたのか、人材不足は解消されたのか、モバイル決済での売上や外国人観光客の増加率なども検証する予定です。

(左から)福岡市経済観光文化局中小企業振興部経営支援課
渡邉麻由佳さん、西依正博さん、高木慶崇さん

 

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