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  1. ビッグデータの活用で次世代のまちづくりをスタート(国土交通省)

ビッグデータの活用で次世代のまちづくりをスタート(国土交通省)

都市開発やまちづくりという視点ではデータやエビデンスをどのように取り入れていくのか。従来のデータ収集や調査方法と比較してどんな効果やメリットが期待できるのか。国土交通省都市計画調査室 都市交通係長の山崎明日香さんに話を聞いた。

※下記はジチタイワークス内閣官房推進 EBPM特集号(2019年6月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

シミュレーションで予測しデータに基づく施策を

国土交通省が推進する「スマート・プランニング」とは、個人単位の行動データをベースに人の動きをシミュレーションし、効果を予測したうえで公共施設の配置や都市空間の形成の整備、交通施策を考えるという手法である。従来の調査方法であったパーソントリップ調査(以降PT)と比較すると、時間的にも空間的にもミクロな人の動きをとらえることができ、個別の自治体のニーズに応えられる調査となっている。PTの全国調査は5年に一度で、三大都市圏を対象にした調査は10年に一度。データを取得する期間に開きがあるので、直近のデータを参照したとしても数年前のものしか手に入らないのだ。

山崎さんは、スマート・プランニングの主旨をこう解説する。「ビッグデータを活用し、施設配置や道路空間の配分を変えたときの歩行距離や立ち寄り箇所数、滞在時間の変化を見たうえで最適な施設の立地を検討するのが目的です」(山崎さん)。スマート・プランニングでは、人の移動をシミュレーションする「回遊行動シミュレーション」という手法を用いる。従来のやり方と異なるのは「データに基づいて事前に予測ができる」という利点だ。

従来は土地の所有や都市計画が先にあって市有地を活かすための施策を考える、という順序だったが、スマート・プランニングでは先に「街路や歩道のにぎわい空間」という目標を立てて、人の行動がどう変化するかをシミュレーションして予測する。目的に対する成果を予め定量的に図ることができ、複数の計画を比較し最適なものを選ぶことができる方法だ。

(左上から時計回りに)志木市高齢者交流サロン整備、岡山市オープンカフェ、姫路市駅前街並みの形成、神戸市自転車交通分離、北九州市路上駐輪施設、札幌市路面電車ループ化

自治体と民間の技術力を合わせてまちづくり

山崎さん曰く、スマート・プランニングが求められるようになった背景には二つのポイントがある。「技術的な進歩と、行政側のニーズがきめ細かなものになっていること。この2点によりビッグデータを活用したスマート・プランニングへの期待が高まっているように思います。ビッグデータは人の動きを把握するには非常に有効な手法ですが、どういった交通手段で出かけているか、という説明は十分ではありません。PTやアンケート調査などと組み合わせることでさらに効果を発揮します。そういった視点から『スマート・プランニング実践の手引き』や『総合都市交通体系調査におけるビッグデータ活用の手引き』を作成しました」(山崎さん)。

「手引き」ではすでにデータを活用し、実践を始めている自治体の好事例が紹介されている。成功した事例に共通しているのは「分析により検証したいことがはっきりしている」こと。ゴールが明確であれば、それに基づいた調査計画が立てやすいのだ。スマート・プランニング成功の命運を分けるのは官民連携だ。自治体職員は情報通信やデータ分析などITの専門職ではない。その分野に精通した民間企業の力を借りることで、うまく連携が取れるのだ。

山崎さんは「データビジネスに取り組んでいる民間企業は増えているので、自治体から発信すればきっと良いパートナーが見つかります」と話す。自治体と民間企業、それぞれが得意分野を担うことで、データに基づいた効率的なまちづくりが加速していく。

Results

〇スマート・プランニングとはミクロ範囲で活用できる考え方
〇専門知識を持ったパートナー企業を見つける

ビッグデータを活用したまちづくりは、理想的なビジョンだけでなくその計画を数字できちんと説明できる力があるため、施策の推進に役立ちます。

国土交通省 都市局 都市計画課 都市計画調査室 都市交通係長 山崎明日香さん

How To

01 ゴールをはっきりと定める

評価したい施策を明確に決めることで調査計画が立ち、データ収集のポイントが定まる。目標が漠然としていないか注意を払っておく。

02 官民連携が欠かせない

データを集められても、分析するのはまた別の能力が必要になる。専門分野については民間企業の力を借りることが成功の秘訣だ。

03 一つの方法に固執しない

ビッグデータの種類や調査方法はそれぞれ、一長一短ある。どれか一つと絞らずに組み合わせて活用することで、成果につながる。

04 民間企業に任せきりにしない

専門分野について企業とパートナーシップを組んでも自治体側が目標を理解することが重要。データの特性・使いどころを見極めておく。

ゾーン間の広域的な交通流動(PT調査における四段階推定法)とゾーン内の地区における回遊行動(スマート・プランニング:回遊行動シミュレーション)

交通関連ビッグデータの登場

●携帯電話基地局データ
▶大量サンプル、広域的な移動が把握できる

●スマートフォンGPSデータ
▶正確な位置情報をキャッチできる

●Wi-Fiアクセスポイントデータ
▶地下の滞在・移動の把握に強い

●交通系ICカードデータ
▶利用者の正確な情報が得られる

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