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裏付けのあるビッグデータから戦略を練る!具体策の提示で県全体のモチベーションアップ(ツーリズムおおいた)

別府や由布院といった有数の温泉地を有し、人気の観光地である大分県。平成29(2017)年、県内の宿泊観光客数は約461万4000人と前年より約5%増加している(大分県観光統計調査)。令和元2019)年10月には大分県でラグビーワールドカップの開催もあり、さらに観光事業に力を入れるべく、県内の各地市町村と手を取り具体策を練る必要がある。

※下記はジチタイワークス内閣官房推進 EBPM特集号(2019年6月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

来県客の移動データを対面調査とクロスしたい

大分県では、年に4回、対面調査で観光客の動向調査をしている。また、市町村でも独自の調査を実施してきたが、調査内容が異なっているため、こうした調査を統一基準で評価することができていなかった。さらに、観光客が県内でどのように過ごしているのか、どのような消費行動をとっているのかなどの動向調査はしていなかったので、こうしたデータの取得も課題であった。これらを解決すべく、民間企業のサービスを活用したビッグデータ調査の実施を決定。費用対効果の観点などから、Location Trendsの採用を決定した。

まずは、県全体と各エリアの調査を開始。宇佐市を含む「国東半島エリア」、由布市が属する「やまなみエリア」、大分市や別府市の「別府湾エリア」、東九州道で宮崎県と結ばれた「日豊海岸エリア」など全6エリアでデータを出した。「まとめられた調査結果は、今後に役立つと確信しました」とツーリズムおおいたの観光企画部長・山本さんは語る。やまなみエリアには女性が多いが、別府湾エリアは圧倒的に男性が多いこと、県全体で見ても男性の来訪者が多いことが数字として表れた。

調査結果レポートより

的を絞ってさらに調査推測が確信に変わる

もともと県を訪れるのは観光客だけではなく、出張のビジネスマンも多いのではないかという仮説があった。そこで、行動の特徴から「出張旅程者等」を定義し、来訪者数や性別、都道府県別などの構成をデータとしてまとめた。「大分県には女性の観光客が多い一方で、ビジネス利用で訪れる男性客も多いと今までの調査からもわかっていました。ただ、この調査でデータとして裏付けが取れ、さらにどんな人が訪れているのか具体的にわかったのは大きかったですね」(山本さん)。

さらに「出張旅程者等」のデータから、福岡県(37%)の次に宮崎県からの流入が18%と多いのがわかった。宮崎県からは買い物客が多いことも以前から予想していたが、今回の調査ではその仮説を検証すべく宮崎県からの流入と、それ以外からの流入に分けてデータを解析した。

その結果、大分市街だけでなく「トキハわさだタウン」や「パークプレイス大分」など、大型商業施設がある大分市郊外エリアにも来訪していることがわかった。宮崎県からの旅客はショッピングが目的なのだ。東九州道が完成し、来県する仕掛けはあったのだが、経験則で考えていたものが数値として明確になった。

データを各市町村に共有 各エリアに適した策を提案予定

3月に開催した観光マーケティング会議で6つのエリアのデータを各市町村に共有したところ、地域活性化のヒントに繋がるとの声がよせられた。さらに、「市町村単位でのデータを出してほしい」との要望もあった。

別府市や由布市などは以前から観光への取り組みに積極的だった。しかし、県下18市町村ごとの温度差は大きい。観光事業に取り組む必要があるのはわかるが何から始めたらいいのかわからない、などの声もあった。次回の会議で、各市町村に観光施策を提案予定。データを根拠に信頼性のある具体的な提案ができれば、今まで取り組みを進められていなかった地域の意識も変わるかもしれない。

また、今後はクレジットカード会社などとの提携で消費行動までも見えるようにする、他県との連携で流入だけでなく流出も探るなど、さらに踏み込んだデータの集計もねらう。「まずは現状確認からです。市町村同士で競争するのではなく、データをもとに、協力して県全体の広域での潤いにつなげたい」と、今後を見据えている。

公益社団法人 ツーリズムおおいた観光企画部長 山本 宏司さん

How To

01 データを見比べる

今までにも対面調査や、市町村ごとで独自に実施して調査結果を出していた。別府市をはじめとする別府湾エリアには女性が多いと認識していたが、実際にGPSを使ってデータをとると男性が多い結果が出た。認識を確信に変えるためにも、複数のデータを見比べることが重要だ。

02 結果をもとに仮説をたてる

来県者に男性が多いのは出張者が多いからではないかと一つの仮説を立てた。「出張旅程者等」を定義して分析した結果、観光スポットは女性が多く、出張旅程者等は男性が多いことがわかった。仮説を立てることで、さらに深い分析が可能となった。

03 各市町村にデータを共有する

定期的に報告会を開催し、各市町村への共有の時間をとった。裏付けのあるデータには地域活性化のヒントがありそうだと、希望が見えた会議になった。各エリアの担当者からはもっと詳細なデータがほしいなどの要望もあがり、観光に向けて全体のモチベーションがアップした。

04 今後はさらなるデータを活用

対面調査によるアンケートを続けながらGPS調査をし、さらには来県者のクレジットカード決済などのデータまで得ることができれば、県内での過ごし方だけでなく消費行動まで見える。県は次なる策として検討中だ。

05 広域連携も視野に入れる

今回のGPS調査は県外からの流入しか実施していないが、他県との協力によって大分県から県外への移動や九州内を周遊する人のデータもとりたいと考えている。他県との連携で、さらに深いデータの集計をねらい今後の相互送客等の観光施策に生かす。

観光マーケティング会議(2019.3月開催風景)

 

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