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  1. 日本初!官民連携の見守りサービスIoTで安全・安心のまちづくりを(兵庫県加古川市)

日本初!官民連携の見守りサービスIoTで安全・安心のまちづくりを(兵庫県加古川市)

平成29(2017)・30(2018)年度に市内で約1500台の見守りカメラを整備した兵庫県加古川市。カメラ内部に、複数事業者が提供する「見守りタグ」の信号を受信する共通検知器を内蔵し、見守り対象者の位置情報履歴を家族が確認できる環境を構築したこの日本初の試みは、「第3回先進的まちづくりシティコンペ」で国土交通大臣賞を受賞するなど大きな話題となった。

見守りサービスの導入後、どんな変化が起きているのか。加古川市協働推進部生活安全課の西森洋子さん、荒田祐太さんに話を聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.6(2019年6月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

設置だけでも抑止力に犯罪発生率を低下

加古川市では、県下市町の人口1千人あたりの刑法犯認知件数が兵庫県の平均を大きく上回っていたことなどを背景に、平成29年度より市内の通学路や学校周辺を中心に見守りカメラを約900台設置し、平成30年度には、主要道路の交差点、駅、公園の周辺などを中心にさらに約600台設置。現在は合計約1500台ものカメラが市内で稼働している。西森さんは、設置場所について「地域の意見を参考に警察署や専門家の助言を得て、効果や合理性を総合的に勘案し市が決定している」と話す。

設置場所は市のホームページで閲覧できるが、電柱にも「見守りカメラ設置」と巻き看板で掲示した。このように「見守りカメラを設置した」という事実だけでも犯罪の抑止力となっている。 見守りカメラの設置を開始して以降、平成30年11月に人口1千人あたりの刑法犯認知件数が初めて兵庫県の平均を下回り、今なおその傾向は続いている。見守りカメラの設置が犯罪発生の抑制につながっていることを示す結果だ。

見守りカメラ

見守りタグをつかって市民に安心を届ける

見守りカメラには「ビーコンタグ(BLEタグ)検知器」が内蔵されており、子どもや、認知症で行方不明となるおそれのある方の位置情報履歴を、保護者や家族に知らせる見守りサービスを展開。万が一、行方不明になった場合でも、このビーコンタグ(通称・見守りタグ)を路上などに設置したカメラが検知すれば、どのあたりにいるのかをアプリ上で確認できるのだ。タグの信号を検知するポイントを増やすため、検知器を公用車両や公共施設にも約300台設置している。 市民からは「子どもが学校を出た後、ちゃんと自宅へ向かっているかを確認できて安心」「塾帰りに何時くらいに帰ってくるかが分かるので家で迎える準備ができる」といった声が寄せられた。

プライバシーに関わる問題はどう乗り越えたのか。荒田さんはこう語る。「導入の際には市長が市内12会場で直接市民に説明を行い、意見を求めました。また、導入に関するアンケートを取ったところ98%以上が賛成という結果でしたが、いざ設置するとなると家の近くにカメラと検知器があることに不安を感じる方もいらっしゃいました」(荒田さん)。その問題に対しては、見守りカメラの画像データの取り扱いなどについて条例を設けて厳格に管理することや、部外者は閲覧できない仕組みを説明して理解を得るよう努めた。

見守りサービスを導入している事例は他にもあるが、加古川市では複数のサービス提供事業者と連携しており、市民が事業者を選択できることも特徴の一つだ。西森さんは「今後も市民にとって選択肢が増えるように広げていきたい」と話す。 今後の課題は高齢者を対象とした見守りだ。加古川警察署管内で平成30年中、認知症が原因とされる行方不明事案の件数が約150件にのぼった。見守りサービスを利用し始めた世帯からは「親が行方不明になったがこのサービスのおかげで発見が早まった」という声も寄せられている。 市民の安全・安心を守るため官民連携でのサービス普及を急ぐ。

見守りタグ

 HowTo

 

01 官と民の強みを活かす

インフラ構築や市内外への周知には行政による環境構築が必須。一方、機器の開発やサービスの運営は民間企業の役割だ。

02 プライバシーについての説明を

カメラや検知器を設置することは、プライバシーの問題に関わる。事前に市民の声を聞き、根拠に基づいた納得できる説明が重要になる。

03 事業運営しやすい仕組みづくり

行政がいくら利用を推進しても、ビジネスとして成立しなくては継続できない。市民がサービスを利用しやすい仕組みの整備も必要。

市民向けPRチラシ

04 隣接する自治体との協力

区域内の検知器だけでは区域外へ出ると見守りができなくなってしまう。隣接する自治体と横のつながりを持つことが課題となる。

Results

〇IoTを使った見守りサービスで 犯罪発生の抑制につながる
〇民間と連携をすることで 継続可能なサービスを提供

できればこのサービスに頼る状況にならないことが一番ですが、万が一のときには心強い味方となる。事業の内容や有用性を広く知っていただき、IoTを活用した民間との連携でさらに安全・安心なまちづくりにつながればと思います。

加古川市 協働推進部 生活安全課・西森洋子さん、荒田祐太さん

 

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