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  1. 地域住民が誇るまちの遺産を 観光資源に(愛媛県大洲市)

地域住民が誇るまちの遺産を 観光資源に(愛媛県大洲市)

愛媛県大洲市は、歴史的建造物の利活用を手掛けるバリューマネジメント社など3社と「愛媛県大洲市の町家・古民家等の歴史的資源を活用した観光まちづくりにおける連携協定」を締結。

この事業スキームを採用した理由を、大洲市役所観光まちづくり課の村中元さんに聞きました。

※下記はジチタイワークス観光・インバウンド号(2019年5月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
 [提供] バリューマネジメント株式会社

観光とまちづくりの共生は本来難しいもの

「よく一緒に語られることが多い観光とまちづくりですが、本来は違う方向を向いたもの同士ですよね。地域住民にとっての最善の環境を整えていく『まちづくり』は、我々行政が得意とする分野ですが、外から来た人に魅力を感じてもらう『観光』とは必ずしも条件が一致するとは限りませんから」と村中さん。大洲市では、地域の人々が誇る“自分たちのまちの象徴”となる建物や街並みを観光に活かす方法はないかと模索していました。

文化財の保全だけでは財源に限界がある一方で、改修や再利用が商業ベースに乗ってしまうと、地域住民の思いが取り残される可能性があります。まちづくりと観光が共生できる道はないか。検討する
なかで譲れない一点は「地域の誇りと観光の魅力が合致すること」でした。

地域の想いを観光ニーズに変換する難しさ

江戸時代城下町であった大洲市は、明治期に入ると木蝋産業などで活況を呈しまた。村中さんはバリューマネジメントの他力野社長と話す中で、その歴史を残す建物の物語を教えてほしいと言われたといいます。「木蝋産業で活用していた建物の空間、象徴される部位などをきちんと残し、顧客にその歴史が伝わるような建物の改修がしたいとのこと。出口である観光を視野に入れたうえで、入口のまちづくりの絵を描かなくてはいけないという発想に驚きましたね」。出口戦略としての観光には『そこにしかない価値』こそが重要で、それは建物をはじめとする歴史的建造物はもちろん、そこに根付く暮らしや文化も含みます。

歴史的資源を残しつつ、その価値を伝える取り組みをすることの重要性に気づかされた、といいます。出口(観光)と入口(まちづくり)を繋ぐ絵を描くこと、それが自走できるまちづくりには必須条件なのです。

自治体と民間事業者、得意分野を発揮すべき

民間事業者の進出環境が厳しい地方では、いかにしてビジネスを成り立たせるかを行政も一緒になって考えて初めて、地域の活性化は進むと村中さんは語ります。「行政と民間事業者にはそれぞれ得意不得意があり、それを活かしながらお互い手を携えるのが理想。例えば我々が得意なのは、地域住民のコンセンサスを得る役割から、文化財の規制緩和等を通して公有施設を使えるようにするといった環境整備。一方でバリューマネジメントが持っていたのは、事業化するためのマーケティングから運営までの一貫したノウハウ。行政と民間事業者、それぞれの得意分野を活かしたうえで、双方の地域を強く想う精神が接着剤となり、地方の観光シーンが変わっていくといいですね」。

大洲市役所観光まちづくり課の村中元さん

歴史的資源を活かしつつ税金に頼らず自走できるまちづくり

城や古民家、名勝庭園等、歴史的資源を税金で保存するには限界が来ています。

それまで紡いできたまちの遺産を守るには、歴史的資源が自ら持続的な収益を上げ、自走するビジネスをつくることが必要となるのです。

歴史的資源の活用とは

地域の人にとって当たり前の景色も、外の人の目には新鮮で、魅力的に映ることも。大切にしてきたまちの建物や文化を、観光へと活かす。

佐原商家町ホテルNIPPONIA

歴史的資源=そのまちならではの魅力です。佐原商家町ホテルNIPPONIAがあるのは、千葉県香取市の「重要伝統的建造物群保存地区」。歴史的建造物やそこに残る人々の暮らし、風土、文化こそが、国内外の観光客にとって魅力となるため、それらの資産を活かすことで、観光の誘客へとつながるまちづくりが可能となります。

歴史的資源を残すための滞在型観光

まちの資源をホテルとして活用することで、通過型観光から滞在型観光へ。税金に頼らず自走することで、歴史的資源を残し続ける運用モデルを構築。

明治期、和紙とお香を保管した蔵を改装したホテル

バリューマネジメントでは、古民家や蔵をホテルとして利活用しています。観光者はそれらのホテルに泊まるために訪れ、まちを観光。ホテル自身の魅力で集客し、そこでお金を使っていただく。税金で維持保存が難しくなる歴史的資源はこうして自走することで残し続けることができ、さらに、まちの活性化へとつなげることができるのです。

商家のひとつをフロント&レストラン棟、他の商家を客室
棟にするなど商家町全体をホテルと見立てた

歴史地区観光まちづくりサポート事業

◎まちの自走をサポートするサービス

歴史的資源を活用した観光まちづくりには、マーケティング~物件改修~運用など、一貫したプロセスが重要となりますが、観光まちづくりを進める中で、本来、各自治体やまちの事業者が主体となって、持続的な観光まちづくりを進めていくことが望ましい。

バリューマネジメントは様々な歴史的建造物を利活用してきたノウハウをもとに、自治体や運営事業者、出資者らが手を携えて観光まちづくりを行うためのサポートを行っている他、実際に事業者としても運営を実施し、地域資源や人々の想い、価値観、文化を共有しながら進めています。

◎財政負担減につながる

従来、委託費を「払って」維持してきた歴史的建造物を観光資源として誘客につなげることで、「観光収入を得る」施設にできます。加えて、維持管理費の削減にもなり、一石三鳥なのです。

 

事業者の声

観光立国を目指す日本にとって、歴史的資源は大きなコンテンツ。まずは「歴史的資源を活用したまちづくり」から始め、社会に成功事例を増やすことが重要でしょう。自走するまちづくりは地方創生のきっかけに繋がっていきます。日本の資源が失われる前に、一つでも多くの地域とともに活性化のお手伝いができれば幸いです。

バリューマネジメント株式会社
代表取締役 他力野 淳さん

お問い合わせ

バリューマネジメント株式会社
〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町4-20 グランフロント大阪 タワーA17F
Web https://www.vmc.co.jp/gov/

 

 

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