全国初、認知症のための保険契約を市が負担(神奈川県大和市)

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高齢化社会と言われて久しいですが、痛ましい事故のニュースは後を絶えません。中でも認知症の高齢者が徘徊中に踏切事故を起こしてしまい、遺族には莫大な賠償金が残されることが問題となっています。

そのような悲劇を生まないため、全国初、自治体が保険契約を負担するという取り組みが神奈川県大和市で始められました。

※本記事は『ヒントとアイデアを集める行政マガジン ジチタイワークス』からの転載です

踏切事故のリスクが高い地域性

同市内には3つの私鉄が走り、踏切は32カ所。その分だけ踏切事故のリスクが高い地域と言えます。そのような特性を踏まえ、また他自治体で訴訟になっていることも背景に、市長の発案で決定しました。

この事業では最大3億円までの賠償金が支払われる民間の保険に加入し、保険料を市が全額負担しています。被保険者となるのは、「はいかい高齢者等SOSネットワーク」に登録している約240人(2017年11月1日時点)の高齢者。初年度の保険料など323万円を補正予算に盛り込みました。

担当者の声

担当者の方にお話を伺いました。

保険内容はどういうポイントで決定したのでしょうか?

今回は「個人賠償責任保険」の契約となります。徘徊をしていた人が加害者となった場合の対応がメインになりますが、逆に徘徊時に怪我をされた際の補償も兼ねています。また鉄道事故だけでなく、自転車の事故など通常の怪我も対象となっています。

他部署や議会の反応はいかがでしたか?

前提として、認知症1万人時代に備える政策を宣言していたことから、比較的スムーズに導入することができました。

市民の方々からの反響はいかがでしょうか?

認知症のご家族から「安心」「徘徊を止められないこともあるので助かる」といった声を頂いています。また今回の取り組みを機にSOSネットワークの登録が増えてきています。

地域の安心を支える

いかがでしたか?地域の特性を踏まえ、そこで暮らす人々の安心をサポートする素敵な取り組みですね。

特に認知症になった本人や家族だけでなく、周囲の人々や企業まで、地域全体を支える仕組みがとても有意義だなと思います。また「いつ事故が起こるか分からない」ために補正予算で実現させたことも注目すべき点でしょう。