自治体市場への参入を支える「第三者による伴走支援」――パナソニック担当者が語るその価値とは

パナソニック株式会社では、食洗機の普及率向上に向け、子育て支援・男女共同参画・節水対策という切り口から自治体との連携を進めています。
一方、自治体との連携は同社にとって前例がほとんどない取り組みでした。「ニーズのある自治体と出会えるのか」「メーカーから直接提案すると、販売活動と受け取られてしまうのではないか」。そうした難しさを感じる中で活用したのが、自治体選定から面談、提案内容の整理、その後のフォローまで伴走する「エージェントサポート」です。
本記事では、同社キッチンソリューションBUビジネス戦略企画部の民野さまに、自治体市場への参入で感じた難しさと、ジチタイワークスが提供する伴走支援サービスのどこに価値を感じているのかを伺いました。

卓上型食器洗い乾燥機「スリム食洗機」
NP-TSP1
パナソニック株式会社は、食洗機の普及率向上という事業命題のもと、子育て支援・男女共同参画・節水対策という切り口で自治体と連携し、住民への普及につなげる取り組みを進めています。自治体が住民への告知・募集を担い、パナソニックが食洗機を無償貸与する実証実験を通じて、購入補助等の事業化検討へとつなげています。
目 的
・ 食洗機の普及率向上に向けて、子育て支援・男女共同参画・節水対策という
切り口で自治体と連携し、住民への食洗機普及につなげること
効 果
・ 8自治体と連携協定を締結(うち2自治体で事業化)
・ 自治体に共感してもらう「伝え方」のノウハウが社内に蓄積

エージェントサポート(伴走支援サービス)
ジチタイワークスがエージェントとして、アプローチ先の自治体選定・提案設計・アプローチ・面談・協議までを一気通貫でサポートするサービスです。
※パナソニック様がご契約された当時は、株式会社地方創生テクノロジーラボが提供するサービスでした。株式会社地方創生テクノロジーラボと株式会社ジチタイワークスの合併に伴い、現在は株式会社ジチタイワークスが本サービスを提供しています。
前例のない自治体市場。「量」と「質」の両面に不安があった
ーーそもそも、自治体との連携に取り組み始められたきっかけを教えてください。
民野さま:私たち食洗機事業部としての最大の命題は、世の中の食洗機の普及率を上げていくことです。日本の食洗機の普及率は、冷蔵庫や洗濯機がほぼ100%であるのに対し、まだ30%ほどにとどまっています。一方で欧米は70〜80%ほどの普及率があり、そこには水資源に対する考え方といった文化的背景に加えて、子育て支援や男女共同参画の進み具合という違いもあるのではないかと注目しました。
そこで、これまでの家電量販店やキッチンメーカーへの営業活動とは別の切り口として、自治体様との連携が必要ではないかと考えるようになりました。

パナソニック株式会社
キッチンソリューションBUビジネス戦略企画部
民野さま
ーー自治体という新しい市場へのアプローチについて、社内で懸念や議論はありましたか?
民野さま:ありました。弊社にとって自治体との連携は前例がほとんどなく、家電メーカーが地域課題の解決にどこまで貢献できるのかという懸念がありました。具体的には「量」と「質」の両方です。自治体数は1,700ほどあるとお伺いしていますが、その中でニーズのある自治体と出会えるのかという難しさを感じていましたし、メーカーから直接アプローチをすると、販売ではないと言いながらも販売活動と受け取られてしまい、話が進めにくくなるという懸念もありました。
単なるマッチングではない。自治体選定からフォローまで、伴走支援に魅力を感じた
ーージチタイワークスとのお取り組みを始められたきっかけを教えてください。
民野さま:自治体市場の知見がない中、自社だけで進めていくには限界があると考え、外部の伴走支援を活用するという選択肢も検討していました。その中で、ジチタイワークスは自治体の政策に関する知見をお持ちで、地域課題との適合性を踏まえて、自治体選定から面談、提案内容の整理、その後のフォローまでを第三者的な立場で伴走いただける点に魅力を感じました。単なるマッチングにとどまらず、自治体と企業が共通の社会課題に向き合える関係づくりを支援いただけるという点で、契約をさせていただいた次第です。
自社にはない知見があるからこそ、選定を任せられた
ーーアプローチする自治体の選定を任せることについて、どのようなメリットを感じていらっしゃいますか?
民野さま:自治体の政策に関する知見をお持ちで、地域課題との適合性を踏まえて自治体選定をしていただけるという点に、まず価値を感じています。我々では知り得ない部分を踏まえて選んでいただいているからこそ、任せられるのだと思います。
ーーサービス活用後、その選定の精度に変化はありましたか?
民野さま:私がジョインした頃と比べて、自治体選定のスクリーニングの精度をかなり上げていっていただいていると感じています。また、アプローチをかけていただいた結果、こういう反応だったという点をしっかり教えていただけること、ダメであればダメな理由まで含めて突き詰めて回答いただけることに、非常に納得感を持っています。
当事者同士では難しいコミュニケーションも、第三者が入ることで円滑に
ーージチタイワークスが自治体との商談時には第三者として間に入ることについて、どのような印象をお持ちですか?
民野さま:これはどの業界、どの商売にも言えることだと思いますが、お客様や取引先との一対一の関係では、なかなか本音を言いにくいものです。直接では伝えづらいことも、間に第三者が入ることで、ワンクッション置いて伝えていただける。その点で、第三者であるがゆえの強みをすごく感じています。
私は現部署への異動前は、B2B(キッチンメーカー向け)営業に携わっていました。それまでの仕事は「売る」ということがほとんどで、その価値基準はスペックや仕様、価格でした。ですが自治体の仕事は、もっと根本的なところでの人の動かし方が必要になる。自治体には、直接何かを販売しているわけではありませんので、商品の特徴や利便性だけでなく、なぜこれをやるのか、食洗機がどんな価値を持つ商品なのかという、そもそもの考え方に共感していただくことが非常に重要だと感じています。
こうした共感を得るための伝え方は、パナソニック一社だけではなかなか徹底できるものではありません。多くの企業はどうしても売り込む姿勢が出てしまいがちなのですが、そこにしっかりストップをかけて軌道修正をしていただけるところに、ジチタイワークスの価値を感じています。
自治体市場の専門知識を活かし、連携実現までを伴走支援。
ジチタイワークス エージェントサポート

ジチタイワークスがエージェントとして、
アプローチ先の自治体選定・提案設計・アプローチ・面談・協議までを一気通貫でサポートするサービスです。
驚くほどのスピードで協定締結まで進んだ利府町
ーーこれまで8自治体との連携協定締結、2自治体で事業化に至っていらっしゃいます。それらの自治体の中で、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

2026年8月27日
宮城県利府町とパナソニック株式会社
連携協定締結
民野さま:私がジョインしてからの観点になりますが、宮城県利府町様が印象に残っています。最初のアプローチから連携協定式まで、驚くべきスピード感で進んでいきました。町として社会課題への問題意識をすでにお持ちだったからこそ実現したスピード感だと思っており、これまで様々な一般企業様とお取引をしてきましたが、その中でもなかなか感じ得ない姿勢でした。
半分笑い話にはなるのですが、実証実験の町民モニターを募集するチラシに、私自身の写真を使っていただいたということもありました。食洗機がある時とない時のビフォーアフターという形で写真を撮影し、利府町のご担当者様のご判断で掲載いただいたのですが、かなり思い切ったやり方で、驚かされました。
こうした協定締結までのスピード感も、モニター募集チラシでの思い切ったご判断も、世の中が変わっていく中で地方自治体も変わっていかなければいけないと感じていらっしゃるからこそのものだと思いますし、そうした姿勢の自治体様だからこそ、私たちの提案にも真剣に向き合っていただけたのだと感じています。

宮城県利府町
男女共同参画推進事業チラシ
まずは伴走支援の活用も視野に入れてみてほしい
ーー同じように自治体連携に課題を感じていらっしゃる企業様に向けて、メッセージをお願いします。
民野さま:これまでの状況を含めて、成し遂げたいことの実現に向けて、ジチタイワークスは非常に良きパートナーだと思っています。企業自らがアプローチするという選択肢もあるとは思いますが、伴走支援を活用するという形も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
――貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。今後も貴社にご満足いただけるよう、しっかりとサポートさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします!
※掲載内容は取材当時のものです。
この記事を書いた人:自治体クリップ編集部
ジチタイワークスが運営する企業向けメディア『自治体クリップ』の編集部です。予算制度や提案の進め方など、企業が自治体と連携するうえで役に立つ情報を分かりやすくお届けします。
