不登校を理解し地域で支える(広報きくち 平成29年 12月号)

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「学校に行きたくないなぁ」誰しも一度や二度は、そんなことを考えたことがあるはず。その一方で「学校は行かなければいけないところ」「学校に行かないのは悪いこと」という思い込みもあるのではないでしょうか。

いま、こうした世間の常識に苦しむ人たちが増えています。文部科学省の調査によると、2016年度は全国の小中学生に占める不登校児童・生徒の割合が過去最高になりました。

不登校になった本人はもちろん、親にとっても不安や悩みの種となる不登校問題。今回は「広報きくち」の特集記事から、不登校の現状と当事者たちの思い、支援に向けた取り組みについて見てみましょう。

不登校の本人と親が抱える、不安と悩み

中学1年生の時に突然不登校になった男性は「部活動も楽しくて友達とも仲良くしていました。なぜ行けなくなったのか、自分でもよくわからないんです」と語ります。本人にも理由がわからない不登校。当然ながら、親をはじめとする周囲にもなかなか理解してもらえず、あわや自殺を図ろうとするまで追い詰められました。

一方の母親も、息子の不登校という現実を受け入れることができず、はじめは無理やり学校に連れて行こうとしたり、理解できずに手をあげることもあったといいます。

幸いなことに、この母親は息子とぶつかりあう中で徐々に現実を受け入れるようになり、息子の内面にも気付けるようになりました。親子で少しずつ対話を重ねるうちに不登校だった男性の心もほぐれ、今では「つらいこともたくさんあるけど、『一人じゃない』ということに気付くことができました」と、前を向いて生活しています。

こうしたケースは菊池市内に限らず、熊本県内や全国で見られます。その多くに共通しているのは、不登校の本人も親も同じように苦しんでいるということ、そして、話を聞いてくれる相手を必要としている。ということです。

上の事例に登場した母親は、同じように苦しんでいる母親を助けたいという気持ちから、不登校や子育てに悩む母親の茶話会を自宅で始めました。

 

このように、いま菊池市では不登校の子どもや親を支える各種の取り組みが、行政や団体、個人によって進められています。

コミュニケーション力を養う支援活動

そうした取り組みのひとつが「マザー&チルドレンの会」。クリニックの2階を利用して、子どもたちが無料で食事をしたり、保護者や高齢者がくつろいだりできる憩いの場を運営しています。毎週水曜日に開催されるこの「憩いの場」には、不登校の子どもを含む10人以上が毎回訪れており、知らないうちに他人とコミュニケーションが取れる場所。見守りの場所。となっています。

また行政による取り組みとしては、毎年9月に開催されるサマースクールがあります。これは不登校やその傾向がある小中学生を対象にしたイベントです。

サマースクールではコミュニケーション能力を養うためのさまざまな共同作業が行われ、その成果として長期欠席だった子どもが登校できるようになる事例が増えています。中にはサマースクールに参加した経験を生かして、「恩返しの思いも込めて」と運営を手伝う若者もいるそうです。

不登校はみんなの問題

不登校の問題は、単純に本人や家庭の問題ではありません。本来子どもにとって安全な場所であるはずの学校でさえ危険に感じるほど、社会全体でストレスや悩みを抱える子どもが増えているという社会問題の表れです。

自分の家族や身近な人が不登校の問題を抱えていてもいなくても、未来のまちづくりに関わる重要な課題として関心を持ってみるのはいかがでしょうか?

 

「広報きくち」平成29年12月号
http://machiiro.town/p/28784#page/4

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