健康施策に立ちはだかる大きな壁| 医療費高騰を食い止めるには?
日本は65歳以上の高齢者が人口の21%を超える「超高齢社会」に突入し、医療費の増大が国の財政を圧迫しています。また医療費の増加は、成人も含めた生活習慣病の増加も大きな要因です。
この問題に対応するため、国や自治体が実施する健康増進施策の重要性がますます高まっています。
しかし、健康増進施策を成功させるためには、複数の課題があり、自治体としても何を優先して着手すべきかが求められています。無関心層へのアプローチや社会環境の整備は特に重要であり、これが成功すれば医療費の削減と住民の健康寿命の延伸が期待できます。
そこで今回の記事では、自治体が医療費の削減や住民の健康寿命の延伸を行うために、どのような情報や事例を求めているのかをご紹介します。特に、健康増進に関するサービスを提供されている方々には、日々の業務に役立つヒントになると考えておりますので、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
目次
◆ 国や自治体の健康に関する現状
◆ 健康日本21とは?
◆ 自治体の現場が抱える課題とニーズ
◆ 2024年7月開催予定のイベントについて
国や自治体の健康に関する現状
前述のとおり、65歳以上の高齢者割合は人口の21%を超え、「超高齢化社会」が2021年から続いています。今後も高齢者率は年々増え続ける見込みとなっております。
また、医療費の財政圧迫は高齢者医療費だけでなく、高齢者以外も含めた生活習慣病等の増加も一因に挙げられます。
引用:内閣府「高齢化の現状と将来像」/ https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/html/zenbun/s1_1_1.html
引用:厚生労働省「令和元(2019)年度国民医療費の概況 / https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/19/index.html
これに対して、政府は『国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針』に基づき、平成12年から国民健康づくり運動『健康日本21(第二次)』を推進してきました。
この運動は、令和5年度で終了し、令和5年5月末に『国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針』の改正が公表され、令和6年4月1日から新たな基本方針の適用とともに『健康日本21(第三次)』の取り組みが開始されました。
全国の自治体においては、新たな基本方針に則り令和6年度現在、都道府県を中心に上記方針を勘案した『健康増進計画』を策定され、運用が開始しています。
健康日本21とは?
「健康日本21」は、国民の健康増進を目的とした国の総合的な健康施策です。2000年(平成12年)にスタートし、生活習慣病の予防、健康寿命の延伸、健康格差の縮小を目指しています。
第1次計画は2000年から2012年、第2次計画は2013年(平成25年)から2023年(令和5年)まで実施され、具体的な目標設定とその達成度評価が行われました。
引用:厚生労働省「健康日本21(第三次)の概要」(p2)
第三次計画は令和6年4月から始まり、さらに詳細な施策と評価基準が設けられています。これにより、自治体の健康増進計画を支援し、地域ごとの健康課題に対応する取り組みが強化されます。
こうした施策を通じて、国民全体の健康意識と行動変容を促し、持続可能な医療制度の構築を目指します。この新たな取り組みでは、自治体が健康増進計画を策定し、国民の健康寿命の延伸を目指して具体的な施策を展開する予定となっています。
特に、「自然に健康になれる環境づくり」や「健康情報の見える化・利活用についての記載を具体化(DX化)」については、自治体のみでの推進は困難となるため、民間企業の介入が必要不可欠となります。
引用:厚生労働省「健康日本21(第三次)の概要」(p9)
ちなみに、「健康日本21(第二次)」の最終評価では、目標として設定された53項目の評価状況や取組の推進体制は改善傾向にありますが、さらなる推進に向けて技術的な支援の充実など、第三次計画の推進にかかり複数の課題が残っていることがわかります。
引用:厚生労働省 健康日本21(第三次)推進のための説明資料(p8)
引用:厚生労働省 健康日本21(第二次)について(p6)※一部抜粋
自治体の現場が抱える課題とニーズ
『健康日本21(第二次)』の20年間の取り組みの最終評価にあたり、自治体等の取組状況の評価のための調査結果が厚生労働省より公表されています。ここでは、課題を集約してご紹介します。
無関心層への取組・社会環境(技術的な支援)の整備
⚫ 健康づくり等の講座・教室への参加者が固定化してしまっている。
⚫ 健康を意識していない人や経済的に余裕のない人への行動変容を促すことが難しい。
⚫ 自然に健康行動を選択できる環境づくりの構築や提供が困難。
具体的には、「自然に健康になれる食環境づくり」や「自然に歩いてしまうまちづくり」など、無意識に健康的な行動が選択できる環境づくりが必要ですが、市独自で行うには事業規模が大きく、困難さを感じています。また、行動変容に有効な施策の事例提供や、健康行動につながる環境づくりに関するエビデンスや事例の集積と提供が求められています。
これらの調査結果から、自治体では無関心層の地域住民の行動変容に繋がる健康増進の取り組みの事例や情報コンテンツが求められていることが分かります。
2024年7月開催の自治体向けイベント
これまでの内容を踏まえ、弊社では、2024年7月に全国の自治体職員に向けて健康増進セミナーを開催します。本セミナーでは、特に無関心層に対する行動変容を促すための効果的なアプローチ方法や成功事例を中心に取り上げ、自治体職員の目線に立った実用的な内容を提供いたします。
セミナー内では、主に健康増進サービスを提供する企業の登壇機会も設けており、自社商材のPRを通じて自治体の課題解決にできる絶好のチャンスとなります。
企業様のご登壇枠は3社限定となっていますので、ご興味をお持ちいただけましたらお気軽にお問い合わせください。詳細情報や参加申し込みは、媒体資料のダウンロードからご確認いただけます。
お問い合わせ先
株式会社ジチタイワークス 担当:林・諸藤
TEL:092-716-1480/Email:btog@zaigenkakuho.com