脅威!増殖する外来種について知る(広報とよはし 平成30年1月号)
外来種、という言葉を知っていますか?
これは、人間によって外の地域から持ち込まれた、本来その土地に生息しない生き物のことです。つい最近も強い毒を持つ「ヒアリ」が全国ニュースになりましたが、実はかなり以前から、ブラックバスやアメリカザリガニなど、さまざまな外来種が私たちの身近に広がっています。
こうした外来種の中には、その土地の自然環境を破壊したり私たちの身体や生活環境に大きな影響を及ぼすものもあるため、油断は禁物。
今回は「広報とよはし」の特集記事から、外来種の危険な影響と注意点について考えてみましょう。
大繁殖する外来種たち
一口に「外来種」といっても、その内容はさまざまです。単に海外から持ち込まれた生物だけでなく国内の他の地域から持ち込まれた生物も、その土地にとっては外来種といえます。また外来種の中には、私たちの生活に欠かせない農作物や家畜として持ち込まれたものもあれば、ペットとして飼われるものもあります。一方で、その土地の自然環境などに悪影響を与える「侵略的外来種」と呼ばれるものもあります。
ほとんどの場合、問題となるのはこの侵略的外来種。その土地にもともと生息している在来種を捕食して「生態系への影響」を与える、毒などで「人の生命・身体への影響」を与える、農作物を食い荒らし「農林水産業への影響」を与えるなど、私たちの生活にとって重大な脅威となるものばかりです。
豊橋市でも、昆虫類、魚類、哺乳類、植物などさまざまな侵略的外来種が発見されています。
たとえば「アルゼンチンアリ」は、強い繁殖力で在来種のアリを全滅させるうえ、わずかな隙間に巣を作るため配電設備の故障の原因になっています。同じく繁殖力の強い「オオキンケイギク」も、大きな群落を作ることで在来種の植物を減らしています。また「アライグマ」は、希少な生き物を捕食したり野菜類などを食い荒らしたりするなど、大きな被害をもたらす生き物です。
こうした外来種による悪影響に対応するため、国は特に危険な外来種を「特定外来生物」に指定して、さまざまな規制や防除を行うこととしています。
外来種との正しい接し方
私たちの身近な場所で、すでに大繁殖している外来種たち。こうした外来種に対し、私たちはどのように対応すればよいのでしょうか?
ここでは、特集記事で取り上げられているQ&Aを簡単にご紹介します。
Q:外来種を見つけたらどうすればいい?
A:外来生物目撃情報投稿フォーラムに投稿するか、環境保全課に連絡(豊橋市の場合)
Q:外来種は飼育できる?
A:特定外来生物の場合は国の許可が必要。それ以外の場合は最期まで責任を持つこと
Q:外来種は繁殖させてもよい?
A:特定外来生物の場合は国の許可が必要。それ以外の場合も基本NG
Q:外来種は人にあげてもよい?
A:特定外来生物の場合は国の許可が必要。それ以外の場合は特に制限なし
Q:外来種を野外に放してもよい?
A:絶対にNG!
Q:外来種を持ち帰ってもよい?(釣りの場合など)
A:特定外来生物の場合は国の許可が必要。それ以外の場合は最期まで責任を持つこと
Q:外来種を自分で駆除してもよい?
A:鳥獣保護管理法で捕獲が禁止されている哺乳類と鳥類以外は自由に駆除できる。ただし危険な生物もいるので気をつけて
身の回りの自然や生活環境を守るため、こうした知識をしっかり身につけ、外来種と正しく付き合っていきましょう。詳しくは、広報紙参照。
身近な外来種情報を知っておこう
外来種の多くは人間の都合で連れてこられた生き物たち。それを「排除」するというのはなんだか身勝手な気もしますが、在来種など本来の自然環境を守ったり、私たちの生活を守るためには仕方のないことです。
とはいえ外来種(特に侵略的外来種)は、私たちの少しの不注意や何気ない行動で爆発的に増えてしまいます。
身近な場所にどんな外来種があるか、発見したらどうすればよいかといった情報は、みなさんの地元の広報紙にも掲載されているかもしれません。まずは情報収集から始めてみませんか?
「広報とよはし」平成30年1月号
http://machiiro.town/p/29941#page/5
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