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  1. 廃校を有効活用!新たな息吹を感じる、ユニークな事例5選

廃校を有効活用!新たな息吹を感じる、ユニークな事例5選

生徒数の減少や校舎の劣化などによって使用されなくなった学校、いわゆる「廃校」が全国的に増えています。

そうした廃校の校舎を取り壊すのではなく、別の形で活用しようという取り組みが、日本の各地で行われているのをご存じでしょうか。

廃校の実態とその活用について

毎年廃校となる学校が増えています。そして、それらの多くが、地域の体育館・公民館・体験交流施設・老人ホーム、さらに保育所・工場、オフィスなどとして活用されています。

文部科学省が2017年1月12日に発表した「廃校施設活用状況実態調査」の結果によれば、廃校になった学校の数は2014年度で477校、2015年度で520校となっています。そして、2002年度から2015年度までの廃校発生数の合計は、6811校です。

また、施設が現存している廃校の数は5943校で、そのうち活用されているものが4198校(70.6%)、活用されていないものが1745校(29.4%)となっています。

活用されていないもののなかで、今後の活用の用途が決まっているものが314校(5.3%)、活用の用途が決まっていないものが1260校(21.2%)、取り壊しを予定しているものが171校(2.9%)です。活用の用途が決まっていない主な理由としては、地域などからの要望がない(48.7%)、施設が老朽化している(37.5%)が挙げられます。

FUKUOKA growth next(福岡県福岡市)

出典:FUKUOKA growth next https://growth-next.com/

福岡市は2017年4月12日、民間企業3社と官民共働でスタートアップ企業の支援施設「FUKUOKA growth next(フクオカ・グロース・ネクスト)」を開設しました。スタートアップ企業や中小企業が行う新規事業への総合的な支援を行い、それにともなう地域の雇用創出や経済発展を目的としています。

この取り組みは、福岡市が実施した「福岡市スタートアップ支援施設運営事業」に基づき進められました。そして、「FUKUOKA growth next」の施設として利用されたのが、福岡市中央区にあった旧大名小学校の南校舎と東校舎です。

当該施設が入居企業に対して行う具体的な支援は、教育・人材供給・官民連携・コミュニティー形成・さらに資本の呼び込み・情報発信などとなっています。

MUKASA-HUB(宮崎県宮崎市)

出典:MUKASA-HUB https://mukasahub.com/#nanogallery/nanogallery2/72157682002656623

新しいコンセプトの未来創造空間「MUKASA-HUB(ムカサ・ハブ)」は、宮崎市の郊外にある高岡町穆佐地区で移転廃校となった穆佐小学校を活用して建設されました。

スモールビジネスの支援を目的としており、ビジネス支援施設としては、宮崎県で最大の規模を誇ります。また、スタートアップ企業やベンチャー起業家を支える仕組みを生み出し、ビジネスコミュニティーを通じて九州の地方創生に貢献することを目指しています。

そんな「MUKASA-HUB」が備える主な施設は、「コワーキングラウンジ」「ミーティングルーム」「ネットワーキングスペース」「クッキングルーム&フードラボ」「オフィス」「ムカサワーク」の6つです。これらの施設は、レンタル費用を支払うことで利用できます。また、年会員・月会員になることで、無料で利用できる施設もあります。

のじまスコーラ(兵庫県淡路市)

出典:のじまスコーラ https://www.nojima-scuola.com/

「のじまスコーラ」は、農・食・学・芸をキーワードに、淡路島内外の人たちに喜びを届けることを目指して設立された施設です。2010年に廃校となった淡路市立野島小学校を活用し、自然・アート・料理を楽しめるスペースとしてオープンしました。

1階はショップスペースとなっており、淡路島の米粉を原材料にしたパンや、淡路島の採れたて野菜などが販売されています。2階では、世界のシェフ1000人に選出された有名イタリアンシェフが手がけるイタリア料理店「リストランテ・スコーラ」が営業しています。そして、3階にはBBQテラス・キッズスペース・屋外動物園などがあります。

朝日里山学校(茨城県石岡市)

出典:石岡市 http://www.city.ishioka.lg.jp/page/page001140.html

茨城県石岡市八郷地区にある朝日里山学校は、2004年3月に廃校となった朝日小学校を再利用し、2008年11月に開設された体験型観光施設です。木造平屋建ての校舎は昭和の懐かしい雰囲気を感じさせ、石岡市にとっても貴重な財産となっています。

朝日里山学校では、地元の農産物・自然・歴史などといった地域資源を活かしたさまざまな体験プログラムを楽しむことができます。茨城県石岡市八郷地区は、関東の名峰である筑波山の東山麓に位置し、雄大な自然と温暖な気候に恵まれており、農林畜産物も豊富です。

そのため、朝日里山学校の体験プログラムに参加すれば、食と農の大切さや、自然環境の素晴らしさを学ぶことができるでしょう。

太陽の森ディマシオ美術館(北海道新冠町)

出典:太陽の森ディマシオ美術館 http://dimaccio-museum.jp/

新冠町の「太陽の森ディマシオ美術館」には、フランス幻想絵画の巨匠であるジェラール・ディマシオの作品が常時展示されているのが特徴です。高さ9m×幅27mというサイズを誇る世界最大の油絵や、その他約250点のディマシオ作品や資料を楽しむことができます。

そんな「太陽の森ディマシオ美術館」のベースとなっているのが、2008年に廃校となった太陽小学校です。太陽小学校の校舎や体育館の色合いやデザイン、そして建物を囲む山々や森林は、自然との調和をコンセプトとしたディマシオの世界観ととても合致していたため、美術館として再利用されることになりました。

2018年には太陽小学校のプール設備を利用した「ガラスの美術館」が新規オープンし、より多面的な美術空間となっています。

廃校を活用して地方創生!

廃校が発生するのは悲しいことですが、使わなくなった校舎を上手く活用することができれば、地方創生の足がかりとすることが可能です。想い出の場所である学校を再利用し、人々が集まるコミュニティースペースを生み出すことは、有意義な取り組みだといえるでしょう。

 

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