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  1. 自治体ビジネス徹底分析!〜観光編①〜

自治体ビジネス徹底分析!〜観光編①〜

※本記事は株式会社LGブレイクスルー様に寄稿いただきました。

地方創生の大きな柱である観光振興。観光資源の磨き上げ、観光地の誘客やプロモーションなど、インバウンド観光客の増加を受けて全国津々浦々で取り組まれるようになりました。こうした観光政策に伴う取り組みは、まさに民間企業の得意とするところ。旅行代理店、広告代理店、メディア事業者、交通事業者などがこぞって地方の観光ビジネス市場に参入してきています。

この観光事業をテーマに、今回から4回に分けて国の動きから実際に発注された観光関連案件の解説までお届けしてまいります。

目指せ観光立国日本

まずは国の対応から見ていきましょう。観光といえば観光庁の仕事ですよね。観光庁の今までの動きはオープンデータで様々な計画書が確認できます。地方自治体の観光政策はこうした国の動きに準拠して進められるので、民間企業としてもぜひ内容は押さえておきたいところです。

観光庁公式ウェブサイトはこちら。資料はほぼ全てダウンロードできます。
http://www.mlit.go.jp/kankocho/kankorikkoku/index.html

観光庁の開示データによると、今から遡ること14年前の平成18年、「観光立国推進基本法」が成立。翌年の平成19年「観光立国推進基本計画」が閣議決定されました。「観光立国」を目指す法的整備がここでなされたわけですね。

こうした法整備の枠組みを受けて様々な取り組みがなされてきましたが、直近の動きは平成28年。「明日の日本を支える観光ビジョン」が策定され「3つの視点・10の改革」が示されました。この視点と改革の方向性で自治体も観光政策を進めています。

3つの視点・10の改革とはどのようなものか、早速概要をご紹介しましょう。

【視点1】観光資源の魅力を極め、地方創生の礎に

改革① 公的施設:「魅力ある公的施設」を、ひろく国民、そして世界に開放
改革② 文化財:「文化財」を「保存優先」から観光客目線での「理解促進」そして活用へ
改革③ 国立公園:「国立公園」を、世界水準の「ナショナルパーク」へ
改革④ 景観:おもな観光地で「景観計画」をつくり、美しい街並みへ

【視点2】観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の期間産業に

改革⑤ 観光産業:古い規制を見直し、生産性を大切にする観光産業へ
改革⑥ 市場開拓:あたらしい市場を開拓し、長期滞在と消費拡大を同時に実現
改革⑦ 観光地経営:疲弊した温泉街や地方都市を、未来発想の経営で再生・活性化

【視点3】すべての旅行者が、ストレスなく快適に観光を満喫できる環境に

改革⑧ 滞在環境:ソフトインフラを飛躍的に改善し、世界一快適な滞在を実現
改革⑨ 地方交流:地方創生回廊を完備し、全国どこへでも快適な旅行を実現
改革⑩ 休暇:「働き方」と「休みかた」を改革し、躍動感あふれる社会を実現

このように3つの視点それぞれに10の改革が紐づいている体系となっています。一つ一つ見ていくと、全国各地の地方自治体で取り組まれている環境政策がどこかしらに当てはまることがわかります。

国が定めた目標値は

こうした観光立国実現のための取り組みに対して国は目標値を掲げています。3つの視点と10の改革に続いて、その実現のための代表的な5つの目標値を見ていきましょう。どれも、2030年までの目標値です。

・訪日外国人旅行者数:6,000万人(2015年の約3倍)
・訪日外国人旅行消費額:15兆円(2015年の4倍超)
・地方部での外国人延べ宿泊者数:1億3,000万人泊(2015年の5倍超)。
・外国人リピーター数:3,600万人(2015年の約3倍)
・日本人国内旅行消費額:22兆円

かなり強気な目標設定ですね。5項目の目標値のうち、実に4項目が外国人観光客関連。国がいかに観光政策でインバウンド観光を重視しているかが分かります。連日ニュースやネットメディアなどで外国人観光客の話題を見かけない日がないのはこうした国の政策の結果ということができるでしょう。

自治体の観光行政

さて、国の方向性を踏まえつつ、地方自治体はどのような観光政策に取り組んでいるのでしょうか。メディア記事などでよく報道されて目にするものはすべて取り組んだ「結果」に過ぎません。観光分野で自治体ビジネスに取り組みたい会社は、自治体が「これからどんな取り組みをやろうとしているのか」についての情報が知りたいですよね。

実はきちんと情報源があるのです。多くの自治体がウェブサイトなどで開示しています。代表的な情報源を2つご紹介しましょう。

(1) 観光振興計画

その自治体の観光振興上の現状分析、課題、解決策、進むべき方向性、重点的に取り組む施策などが明記されている計画書。名称は観光振興計画というズバリなものとは限らず、地域住民に親しんでもらえるような親しみやすい名前が付いているものもあります。

計画期間はほどんどの計画が5カ年。5年間でどのような分野に取り組んでいくか方向性が示されており、内容はインバウンド観光・受け入れ態勢の整備・観光資源の磨き上げなど地域特性に応じてさまざま。自社のソリューションに関わりのある取り組みは何らかの形で予算化されるので、しっかりチェックしておきましょう。

(2) まち・ひと・しごと創生総合戦略

地方創生交付金の交付を受けるには、この総合戦略の策定が条件になっています。総合戦略は第2期を迎え、多くの自治体がこの総合戦略の「第2次計画」、即ち改訂版づくりに取り組んでいるところ。こちらは地方創生交付金を財源とした取り組み主体。「人口増」を狙いとしているため、観光振興だけではなく子育て支援、企業誘致、雇用の創出、医療の充実などが示されています。

ただし、ほとんどの自治体が観光客誘致で何らかの取り組みを明記していますので、こちらも必須資料として目を通しておきたいものです。

自治体観光担当部署はどんなことをしているのか

自治体の組織の中で観光に関することは「観光振興課」が担います。産業振興課の中に「観光係」として設置されていることも。仕事の内容は、先に触れた計画書の策定や効果測定はもちろんのこと、観光客をどのようにして呼び寄せリピートしてもらうか、またそのためのマーケティングやプロモーションをどうするのか。さらには観光施設をどう整備し、受け入れ態勢をどうするのかなど枚挙にいとまがありません。

そしてこの分野は、民間企業との連携が最も効果を発揮する領域。自社の製品、コンテンツ、サービス、技術、ノウハウを生かしてあらゆる企業が地域が観光客で賑わうことを目指して活躍しています。もちろんこうした分野の営業先もここ、観光振興課。自社の製品やサービスが観光振興計画などの取り組みに関係していれば、アポイントも格段に取りやすくなります。

まとめ

最後にざっとおさらいです。

・国は「観光立国日本」を掲げ3つの視点と10の改革で観光振興を進めている
・それぞれの自治体の観光振興の取り組みは「観光振興計画」と「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の2つの計画書をチェック
・観光振興課が営業先自治体の観光政策は国の方向性を踏まえつつ、その自治体独自の取り組みとして観光振興計画に示した活動を展開していく。

この流れをしっかりと押さえておきましょう。
次回は、今回ご紹介した「観光振興計画」の読み解き方。高知市の観光振興計画を題材に、観光関係ビジネスを展開する上でどのあたりを押さえればいいのかお伝えしていきます。

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