地域支援事業とは?介護が必要になる前に

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介護を必要とされている方、また、介護を必要としている家族をお持ちの方にとって、知っておきたいサービスが「地域支援事業」です。

そこで、今回は、「地域支援事業」の役割と、具体的なサービス内容について詳しく解説します。

今は、必要としていない方であっても、将来訪れるかもしれない、自分や家族の介護に向けて知っておくと安心です。

地域支援事業とは?その概要と役割

地域支援事業とは、2005年の介護保険法の改正を受けて翌2006年に創設された介護保険の介護予防事業のことをいいます。介護保険は、日本国民であれば、すべての人が加入する保険制度です。40歳になったら加入し、保険料を支払うことが国民の義務となっています。支払われた保険料によって介護が必要となる人が介護サービスを利用するという仕組みです。

そして、これらの保険料の支払いに対する保険給付として、要支援状態または要介護状態となったときに介護支援に関するさまざまなサービスを受けることができるようになっています。しかし、本来であれば、支援や介護が必要とされることなく日常生活を営むことこそが、一番の理想です。

また、たとえ、要介護状態となった場合でも、できる限り、住み慣れた地域で自立した生活ができることが求められます。このため、要支援状態や要介護状態となる前から介護予防を行い、また、介護が必要な状態となってもできる限り自立した日常生活を営むことができるようにという目的で、地域支援事業が開始されました。

地域支援事業では、地域包括支援センターにより援助が行われています。地域の住民の健康維持や生活の安定に向けて、介護予防ケアや生活支援サービスといったことを通じて地域により高齢者の支援が行われているのです。

【厚生労働省】
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000125468.pdf

サービスを受けられるのは誰?地域支援事業の対象者

地域支援事業における介護予防事業では介護や支援が必要となる状態を3つの段階に分けて介護予防を呼び掛けています。まず、現状では介護や支援を必要としていない人も含めて、すべての人を対象に生活機能の維持や向上を図るのが一次予防となる対策です。

次に、二次予防では要支援や要介護状態になる可能性が高い高齢者が対象となります。二次予防の対象となる高齢者は「特定高齢者」と呼び、生活機能が低下することを早期に発見し、それに応じて迅速な対応を行うということが目標です。さらに、すでに要支援や要介護状態である高齢者には改善や重度化することを防ぐための三次予防の対策が図られています。

そして、地域支援事業では、この3つの予防段階のうち、一次予防と二次予防に対して施策が設けられています。

1つが一次予防へ向けた対策で、65歳以上の高齢者を対象とした「介護予防一般高齢者施策」です。主に介護予防の呼びかけや予防活動の支援などを行います。

もう1つの施策は「介護予防特定高齢者施策」です。二次予防へ向けた対策で、特定高齢者を対象とし、具体的な目標を明確化させ、本人の意欲の向上を目指します。地域の公民館へ通うなど通所型による介護予防を行うほか、対象者の状況に応じて自宅へ訪問する訪問型介護などの支援が実施されるケースもある施策です。

【厚生労働省】介護予防に関する事業の実施に向けての実務者会議資料1介護予防にかかる事業の実施について
http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/11/dl/tp1101-2a.pdf

地域支援事業を受ける方法とは?

地域支援事業を受けるためには市区町村の介護予防の生活機能評価を受けることが必要となります。生活機能評価とは、65歳以上の高齢者として、日常生活で必要となる生活機能の状態を確認するために行われているものです。生活機能評価を受けるためには、まず、市区町村が実施している基本健康診査を受診します。

診査には、基本チェックリストを使用して生活機能の低下の可能性を判断する方法や、問診、身体測定などがあり、これらの結果を踏まえた上で健診の担当医により総合的な判断が下されるのです。

さらに、健診担当医による生活機能評価の総合判定の結果を受けて、今度は市区町村により介護予防の必要度の判定が行われます。個々の高齢者の状態が「一般高齢者」であるのか「特定高齢者」であるのかを決定する判定です。判定を受けると、高齢者は自分が該当するサービスを受けることが可能となります。