自治体営業のノウハウが学べるWEBメディア │ 自治体クリップ

MENU

  1. 思いやりの心をつなげるヘルプマークとは?

思いやりの心をつなげるヘルプマークとは?

車に付けられる身体障害者標識やマタニティマークなどは、一般的に広く知られるようになっています。これらを付けることで、助けの必要な人が周囲から配慮や思いやりを示してもらえることが目的です。

そうしたマークのひとつに、ヘルプマークというものがあります。皆さんはご存知でしょうか。

今回はヘルプマークについて、その概要や、利用者、入手方法、さまざまな自治体の取り組みなどをご紹介します。

意外と知らない!ヘルプマークってどんなもの?

ヘルプマークとは、助けを必要としている人が援助を受けやすくするためのサインです。精神障害や発達障害、知的障害を持っている方々のように支援が必要であることが見た目からは分かりにくい方々のために作成されました。

また、内部障害や難病を患っている人、妊娠初期の体調不良を感じている人も、他の人にとっては気が付きにくいでしょう。義足や人工関節を使用しているため、身体障害を抱えていることが分かりにくい人もいます。

こうした人たちは元気そうに見えるために、電車の優先席に座ることをためらってしまったり、突然症状があらわれて周りにびっくりされたりすることがあるようです。

そこで、助けや配慮が必要であることを周囲に知らせるヘルプマークが導入されました。ヘルプマークを付けることで、電車で優先席を利用しやすくなったり、障害児が迷子になったときに助けてもらえたりします。また、災害時や緊急時にも必要な支援を受けることができます。

ヘルプマークは認識しやすいデザインが特徴です。赤い背景に白色で十字マークとハートが描かれています。電車やバスの優先席に表示されているほか、カバンなどに付けられる手のひらサイズの長方形のストラップや、ヘルプカード、シール状のカードなどさまざまなタイプのものがあります。

ヘルプマークの入手方法は?

外見だけでは分かりにくい疾患や障害を周囲に知らせることができるヘルプマークですが、実際に入手したい場合にはどうすれば良いのでしょうか。

ヘルプマークは助けが必要な人のためのアイテムですから、配布にも配慮がなされており簡単に入手できるようになっています。ヘルプマークは近隣の地方自治体が指定している配布場所を訪れて申請することで入手できます。しかも、申請の際に特別に書類に記入したり、障害者手帳を提示したりする必要はありません。

本人が訪れる必要はなく、家族などの代理人が受け取ることも可能です。東京都では都営地下鉄各駅などさまざまな交通機関の駅務室や、東京都心身障害者福祉センターなどで配布されています。詳しくは近隣の自治体のホームページなどを参照しましょう。

自分の住んでいる地域の自治体でヘルプマークが配布されていないケースや配布場所が遠くて取りに行けない場合には、自分でヘルプマークの入ったグッズを作成することもできます。ガイドラインに沿って、ヘルプマークのデザインを使用した個人用のカードやステッカーを作成し携帯することが可能です。

ヘルプマークの普及活動

ヘルプマークを使用する取り組みは2012年に東京都でスタートしました。カバンなどに取り付けることができるストラップ状のヘルプマークが配布されると同時に、都営地下鉄の優先席にヘルプマークのステッカーが表示されました。

東京都で始まったこの取り組みは、他の都道府県にも拡大しています。2017年の時点では、京都府、和歌山県、徳島県、青森県、奈良県、神奈川県、滋賀県、大阪府、岐阜県、栃木県でもヘルプマークの配布が行なわれるようになっています。

また、2017年7月20日には経済産業省によってヘルプマークが日本工業規格を意味するJISに登録されました。2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、ヘルプマークが全国統一の意味を持つマークとなったのです。これにより、今後さらにヘルプマークの認知度があがり活用する人が増えるなど普及が進むことが期待されています。

他にも、ヘルプマークの普及のために全国でさまざまな取り組みがなされてきました。テレビ番組や新聞、ラジオなどのメディアを通して一般の人への認知度が高まっています。また、公共の交通機関や公共施設など人が多く集まる場所でヘルプマークについて知らせるポスターを掲載したり、チラシを配布したりする活動もなされています。市民ボランティアをはじめ、さまざまな企業や団体の協力によりこうした普及活動が行なわれているようです。

熊本県のヘルプカードにはくまモンが!

出典:熊本県 http://www.pref.kumamoto.jp/kiji_20616.html

ヘルプカードの普及活動の一環として、地方自治体のゆるキャラを利用する取り組みも増えています。全国的に有名で人気のあるゆるキャラを使用することにより、パッと目を引くデザインとなります。

また、かわいらしく親しみのあるキャラクターで、子どもにも持ってもらいやすいのではないかと考えたことがゆるキャラとのコラボカードが作成されるきっかけとなりました。

熊本県が配布しているヘルプカードには県のPRマスコットキャラクターであるくまモンが掲載されています。くまモンは2011年3月の九州新幹線全線開業を機に誕生したキャラクターで、2011年のゆるキャラグランプリの王者でもあります。全国的に有名なのはもちろん、海外での認知度も高まっておりヘルプカードの認知度を上げることにも貢献しています。

カードの表面には「あなたの支援が必要です」という言葉とともに、ヘルプカードという文字を片手で指し示すくまモンの姿が描かれています。かわいらしいくまモンの姿が印象的なデザインです。また、カードの裏面には「私が手伝ってほしいこと」という項目があり、症状や支援してほしいことを書き込めるように工夫されています。

ヘルプカード普及活動の親善大使!?オカザえもん

オカザえもん

出典:岡崎市 http://www.city.okazaki.lg.jp/1550/1561/1610/p022230.html

愛知県岡崎市もゆるキャラをヘルプカードの普及活動に使用しています。岡崎市で用いられているのはキモかわいいとして人気のインパクトがあるご当地キャラクター、「オカザえもん」。

オカザえもんは現代アート作品の斉と公平太氏によって2012年に発表されたキャラクターで、真っ白の衣装に黒髪のおかっぱ頭と顔の中心に寄った目鼻立ちが個性的です。岡崎市の文化や芸術のPR活動を委託されていますが、そのひとつとしてヘルプマークの周知活動にも参加しています。

ヘルプマークについて知らせるチラシをもって街頭に立つなど地道なPR活動を続けています。岡崎市のホームページ障害福祉課のページでも「われらが岡崎の大人気ゆるキャラオカザえもんも応援してくれています」とアピール中です。

岡崎市では全国初のシールタイプのヘルプマークを採用するなど実用性にもこだわりが見られます。

 www.city.okazaki.lg.jp 
ヘルプマークを知っていますか? | 岡崎市ホームページ
http://www.city.okazaki.lg.jp/1550/1561/1610/p022230.html
愛知県岡崎市公式サイト

信州のヘルプマーク普及作戦にはアルクマが登場

出典:全国ヘルプマーク普及ネットワーク https://www.skart-tokyo.com/

長野県のヘルプカードにはご当地で人気のキャラクターであるアルクマが登場しています。アルクマは「未来を歩こう。信州」というコンセプトで作られたクマがモチーフのPRキャラクターで、信州名産品のリンゴのかぶり物をしています。

グリーンのかわいらしいクマで、女性や子どもにも評判です。長野県のヘルプカードにアルクマの使用許可が下りたため、普及活動用にアルクマのヘルプカードが作成されています。ピンクと白のツートンの背景に、アルクマが描かれた優しいイメージのカードに仕上がっています。

みんなの力で作るヘルプマーク

さまざまな地方自治体がヘルプマークの取り組みを行なっていますが、革新的なのが三重県の活動です。三重県はクラウドファンディングでヘルプマークを作成するキャンペーンをしています。目標金額を定めて寄付金を募り、集まった寄付を利用してヘルプマークの作成や普及活動を行う予定です。

このキャンペーンは2018年5月18~2019年3月31日までの期間で行われます。ストラップタイプのヘルプマークであれば、1000円の寄付で、およそ6人分が作成できます。クレジットカード、コンビニエンスストアでの店頭端末利用、ペイジーなどの手段で寄付をすることが可能です。

ヘルプマーク作成の支援ができるとともに、一般への認知を高める効果も期待できる画期的なキャンペーンです。

ヘルプマークを知ろう!もっと活用しよう!

世の中には外見では判断しにくい障害や疾患を抱えており、日常生活に不便を感じている人がたくさんいます。

そうした人たちが気持ちよく過ごせるよう、ヘルプマークを活用してもらうとともに、周囲の多くの人にヘルプマークの存在を知ってもらうことが大切です。

ヘルプマークを入手することを希望する方はぜひ近隣の地方自治体を訪れてみましょう。

 

「自治体クリップ」とは?

自治体クリップとは、グループ会社で15年以上自治体関連事業に特化してきた知見を活かし、
企業の課題解決をサポートするwebサイトです。

自治体営業には”コツ”があります。

これまで培ってきたノウハウとネットワークを活用し、
自治体と企業のさらなる連携に貢献したいと考えております。

メルマガ会員募集中