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  1. BtoLGマーケティングの実務 〜ターゲットとなる自治体はこうして決めよう〜

BtoLGマーケティングの実務 〜ターゲットとなる自治体はこうして決めよう〜

BtoLGマーケティングの実務 〜ターゲットとなる自治体はこうして決めよう〜

※本記事は株式会社LGブレイクスルー様に寄稿いただきました。

皆さん、こんにちは。
株式会社LGブレイクスルー代表取締役、古田智子です。
前回は自治体をしぼりこむ切り口のお話でしたね。さて、今回はいよいよターゲット自治体の決め方のお話です。

ターゲット自治体を分けてみたら

前回のコラムでは「変数」、つまり切り口を組み合わせて、1,741ある自治体を仕分けました。分けた結果、多分いくつかの自治体がターゲット候補として上がってのではないでしょうか。

さて、問題はここからです。
ターゲット候補の自治体が数十団体出てきたら、いったいどこからアプローチすればいいのでしょうか。もちろん営業部隊があって、まとまった人数で組織的にアプローチできれば問題ありません。

でも、多くの企業にとって自治体ビジネスは初挑戦だったりします。初挑戦の事業に、会社は多くの人員やコストを割いてはくれないもの。

そこで必要になってくるのが「優先順位をつける」こと。順位の高いところからアプローチすれば、リソース不足の影響を最小限に留めることができますよね。

ターゲット自治体の優先順位をつけてみよう

優先順位の付け方といっても、何らかの判断基準がないと先には進めません。こんな時にお勧めなのが「6R」。
このコラムではすっかりおなじみになってしまった、英単語の頭文字を取った横文字フレームワークが6R。優先順位付けではよく使われる考え方です。簡単に解説させてください。

① 有効な市場規模(Realistic Scale)

自社のソリューションがどんなにハマりそうな自治体であっても、そもそも予算が確保できなければ一緒にお仕事はできません。まずは自社の製品やサービスによる課題解決が全国でどのくらいの予算規模で何団体導入しているか、自治体の人口規模や政策の整合性などから調べて検討してみましょう。

② 成長性(Rate of Growth)

現在はニーズが少なくても、国の法改正や政策でこれから自治体や地域のニーズが顕在化しそうな分野かどうか。これも重要な判断基準ですよね。例えば、文科省のギガスクール構想。令和5年までに全国のすべての子どもたち一人づつにパソコンやタブレットなどの端末を用意するというものでしたが、昨今の新型コロナウイルス感染拡大で急に前倒し実施になりました。一気に市場が広がった事例です。

③ 競合状況(Rival)

自社と同じ製品・サービス・ソリューションを自治体にすでに展開している競合他社がBtoLG市場でどの程度の存在感でシェアを占めているのか。こちらも優先順位付けで気になる要素です。

いくら自社のソリューションに自信があり「自社でなければならない理由」が明確であっても、すでに常連として競合が入り込んでいる場合は話は別です。もちろんリプレイスを仕掛けることもできますが、それなりに時間もコストも、そして労力もかかるもの。最初はできれば正面戦は避けたいものですね。

④ 波及効果(Ripple Effect)

その自治体への受注実績が、他の自治体へのアプローチの時にどの程度の影響力があるか。これが波及効果です。例えば、政令指定都市との取引実績が1件あれば、少なくとも一般市よりも大きな予算を動かしている他の政令指定都市へアプローチする際のアドバンテージになります。

自治体は、同じ人口規模の自治体の実績に大きな関心を寄せる傾向があります。この辺りも押さえた上で優先順位を検討しましょう。

⑤ 到達可能性(Reach)

自社の製品を課題解決に導入してくれそうだけれど、訪問する時は飛行機や公共交通機関、しまいには船舶に乗ってまる1日かかる。いくらなんでも、これではちょっと厳しいですね。地方自治体は全国津々浦々に本庁舎がありますので、物理的な距離も無視できません。

逆に、リーチしやすいのが「地縁」がある自治体。創業の地、創業者・経営者の出身地、本社がある地域、会社登記している地域などは自治体から丁寧に接してもらえます。もちろん、それで即受注にはなりませんが、コミュニケーションを重ねて自社を知ってもらい信頼関係を構築する手間をショートカットすることができます。

⑥ 反応の測定可能性(Response)

これは、受注後自社の製品やサービス・ソリューションにより地域にどの程度の効果がもたらされたのか検証できるか、という点。事業効果があったのか、製品の場合は製品の満足度はどうか、これから検証可能かどうかを問うものです。これに関しては、製品・サービス・ソリューションを実際に体験したり使った人へのアクセスは容易な自治体がほとんどです。自治体ビジネスの受注企業は、実際に製品・サービス・ソリューションがどのように使われているのか見えやすい立場にいると言えます。職員さんにヒアリングしたり、エンドユーザーが地域住民だったり。比較的どの自治体も測定可能な情報が得られるでしょう。

6R、いかがでしたでしょうか。アプローチ可能な自治体、優先順位を付けられましたか。

こうしてつけた優先順位を参考に、いつ、誰が、どのような方法で、アプローチするのか、結果は何に明文化してどのように組織で共有するのか。こうしたルールも並行に構築しておくとよいでしょう。また、ターゲット自治体は定期的に見直しておくのもやっておいた方が良い取り組み。

自治体を取り巻く状況はかつてないほど変化のスピードが速くなってきています。優先順位が低かった自治体が、首長が変わった途端新しい取り組みがどんどん打ち出され、3Rで評価するといつの間にか優先順位が上がっていた。そんなことにならないように、仕組みをしっかり構築して運用管理するようにしましょう。

まとめ

今回で、マーケティングのSTPのお話はちょっと一段落。次回は順番で言うと4Pですよね。そのようなわけで、4Pと関わりが深い、自治体ビジネスに特化したコンテンツマーケティングについてお話ししたいと思います。

次回もどうぞお楽しみに。

著者

株式会社LGブレイクスルー 代表取締役 古田 智子


1990年慶應義塾大学文学部卒。流通業、建設コンサルタント業を経て、1998年に総合コンサルティング会社入社、トップ営業に。コンサルタントとしても中央省庁や自治体受託業務の案件獲得活動から受託後のプロジェクトマネジメントまで一貫して携わり、多岐にわたる領域の公共事業に従事。
2013年2月、(株)LGブレイクスルー創業。企業と自治体が対等なパートナーとして連携し解決を図る社会の実現をミッションとし、自治体調達案件の勝率を高める我が国唯一のソリューション事業を展開。企業研修実績、コンサルティング実績も多数。
著書に『地方自治体に営業に行こう!!』(実業之日本社)『民間企業が自治体から仕事を受注する方法(日本実業出版社)』がある。

自治体ビジネスドットコム:https://jichitai.biz

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