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  1. 自治体職員とのコミュニケーション 〜提案書が刺さらないのにはワケがある〜

自治体職員とのコミュニケーション 〜提案書が刺さらないのにはワケがある〜

自治体職員とのコミュニケーション 〜提案書が刺さらないのにはワケがある〜

※本記事は株式会社LGブレイクスルー様に寄稿いただきました。

皆さん、こんにちは。
株式会社LGブレイクスルー代表取締役、古田智子です。
さて、公民共創に欠かせない自治体職員さんとのコミュニケーション第二弾として、提案書を取り上げたいと思います。

提案書を持っていってプレゼンしたものの

自治体に訪問して職員さんにお会いする、その目的はなんでしょうか。
人事異動のご挨拶から、パンフレットを使っての製品やサービス紹介。企業によって様々だと思います。

でも、どのような目的でアプローチしようとも、中長期的な視野であろうと、多くの企業の最終目的とは何らかの形で自社の利益になる活動を展開すること、つまり「自治体と一緒にコラボしてビジネスを創る」こと。ここに集約されるのではないでしょうか。

その上で欠かせないツールが、製品やサービスをアピールする提案書です。

これをお読みになっている多くの皆さんも、自社の提案書を携えて自治体職員さんに提案活動を展開されたご経験があるのではないでしょうか。

ところが、非常に残念な事実として、そうした提案活動の全てがうまくいっているわけではありません。

内容はもちろん、きちんとレイアウトデザインし、カラー印刷して持って行った渾身の提案書。自治体職員さん、それも係長や課長レベルの方にしっかりプレゼンして、先方の反応もよく、手応えも上々。

それなのに、なぜかそれ以上先に進まない!

見積もり依頼もないし、プレゼンの後に特に連絡も入らないまま、2週間・1ヶ月・2ヶ月・・・いたずらに時間が過ぎていく。
こんな経験された方もいらっしゃると思います。そう、なぜか提案書が「刺さらない」のです。

刺さらない提案書に共通している3つのポイント

なぜ提案書が自治体職員に「刺さらない」のか。
その前に、そもそも自治体に提出する提案書ってどのような意味を持つものなのでしょう。

一言でいうと、「コミュニケーションツール」に他なりません。

提出しておしまい、ではなく、その提案書の内容をベースにして、自治体職員さんと予算を確保するための議論をしたり、あるいは自治体の中で一人歩きして合意形成を図るよりどころの資料となったり。
提案内容を様々なステイクホルダーが確認し、提案の内容が自治体課題の解決にどのようなベネフィットをもたらすかを知らせる大切なツール。それが提案書です。

つまり、単にセールスの資料として購買の意思決定「要るか、要らないか」を迫るものではないのです。

そうすると、そもそも提案書を作成する前提、つまり目的から見直す必要がありそうですね。

自治体職員さんにとって民間からの提案書ってなんでしょうか。
課題解決のために役立つ「何か」が示されていて、その結果自治体組織や地域にどのような効果がもたらされるかが明示されている資料。
彼らにとって(このコラムでも繰り返し触れてきましたが)、課題解決のためにあなたの会社の製品やサービスがどのように貢献してくれるか?が一番知りたいことなのです。

だとすると、次のような提案書が「刺さらない」のは想像に難くありませんね。

① 自社のアピールに終始している

提案書の冒頭から、自社の沿革、取引先がどんなにすごい会社だらけか(コーポレートロゴの羅列)、自社製品やサービスの優れた特徴。こんな記載が続く提案書

② 自治体の展望や地域特性に無関心

自社のことや製品・サービスのことはいろいろ書いてあるものの、受け手の自治体が直面している地域特性からくる課題や目指そうとしている展望が全く意識されていない提案書

③ 自社の掲げるビジョンやミッションに終始

ビジョナリーな企業姿勢は自治体にとってもちろん歓迎すべきこと。でもビジョンやミッションがその自治体に何をしてくれるのかがわからない提案書

刺さらない提案書は、上記の3つのうちのどれかが当てはまっていることが非常に多いのです。そしてこの3つに共通しているのは、

「企業が言いたいことは書いてある。でも自治体が知りたいことが書いていない。」

これは致命的ですよね。

要するに一言でいうと「民間企業の単なる自己紹介資料」に過ぎないというわけです。

自治体職員さんが知りたいことに関心を持とう

自治体職員の方々にとって、民間からの自由な発想や優れた技術提案はタイミングによっては大変喜ばれるものです。民間企業にとっても、地域課題の解決と利益の創造の両立に取り組めるきっかけになるはず。

でも、それを示す提案書が単なる自己紹介に過ぎなかったら、双方にとって機会損失になってしまいます。本当にもったいないことです。

こうした機会損失をなくすため、自治体職員さんに提案書を見せる前に、彼らが知りたいことってなんだろう?という目でまずは提案書を見直してみませんか。

そのためには、自治体やそれぞれの課の職員さんが知りたいこと、例えば、

「どんな情報を求めているんだろう?」
「何に課題感を感じているんだろう?」
「将来的にどんな方向で何に取り組む考えなんだろう?」

これらのことに関心を持って情報のアンテナを張り、自分が書きたいことではなく、彼らが知りたいことを意識して提案書に書くようにしてみましょう。

きっと自治体職員さんからフィードバックや嬉しいリアクションが来る、刺さる提案書に仕上がるはずです。ぜひ試してみてください。

まとめ

刺さる提案書を書けるようになると、プロポーザル(企画提案競争)の勝率も上がってきます。自社にとって自治体への提案とは何か、改めて一度考えてみてはいかがでしょうか。
さて、次回も自治体職員とのコミュニケーションの現場対応、どんどん続きます。どうぞお楽しみに。

株式会社LGブレイクスルー 代表取締役 古田 智子


1990年慶應義塾大学文学部卒。流通業、建設コンサルタント業を経て、1998年に総合コンサルティング会社入社、トップ営業に。コンサルタントとしても中央省庁や自治体受託業務の案件獲得活動から受託後のプロジェクトマネジメントまで一貫して携わり、多岐にわたる領域の公共事業に従事。
2013年2月、(株)LGブレイクスルー創業。企業と自治体が対等なパートナーとして連携し解決を図る社会の実現をミッションとし、自治体調達案件の勝率を高める我が国唯一のソリューション事業を展開。企業研修実績、コンサルティング実績も多数。
著書に『地方自治体に営業に行こう!!』(実業之日本社)『民間企業が自治体から仕事を受注する方法(日本実業出版社)』がある。

自治体ビジネスドットコム:https://jichitai.biz

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