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  1. BtoLGマーケティングの実務 〜ここを押さえよう、自治体に提出する見積書〜

BtoLGマーケティングの実務 〜ここを押さえよう、自治体に提出する見積書〜

BtoLGマーケティングの実務 〜ここを押さえよう、自治体に提出する見積書〜

※本記事は株式会社LGブレイクスルー様に寄稿いただきました。

皆さん、こんにちは。
株式会社LGブレイクスルー代表取締役、古田智子です。

前回からは価格戦略のお話に戻りましたね。特に仕事の元手、自治体予算についてお伝えしたところです。
さて今回は、価格戦略に直結する見積書について。見積もりで提示する価格設定含め、民間企業がよく間違えてしまいがちなポイントをお伝えします。

見積書を自治体に提出する局面は

まず、自治体に見積もりを提出する局面を押さえておきましょう。大きくは次の3つのタイミングが考えられます。

① 見積もり依頼があったとき

こちらは、自治体側からある日突然「入札に参加してください」と見積もり依頼が来るパターン。そんなことってあるの?と思う方、そう。あるのです。ただしこのパターンは、自治体への入札参加資格を持っている企業に限ってのこと。

自治体が入札で発注企業を選ぶ時には、ウェブサイトに情報を掲載し広く公募する「一般競争入札」と自治体が任意で数社に連絡してその数社で入札する「指名競争入札」があります。後者の場合、職場に出入りしている企業数社に声をかけるのですが、ふさわしい企業に心当たりがない場合は入札参加資格を持つ企業のリストから任意で選びます。

② プロポーザル・総合評価落札方式などの提案書を伴う競い合い

自治体が発注先を選ぶ、プロポーザルなどの競い合い。提案書のほか、もちろん見積書の提出も求められます。

③ 自治体に提案を持ち込むとき

自治体への提案の適期は年度の前半。以前こちらのコラムでも取り上げた通りです。提案活動のゴールはもちろん次年度に向けた案件化。提案活動の際に、提案書とともに見積書も提出します。

さて、こうした局面で自治体の目に触れることになる皆さんの見積書。特に上記の③、自治体に提案を持ち込むときの見積書で、内容によっては気をつけなければならないことがいくつかあります。

よくある残念な見積書3パターン

というわけで自治体とのお付き合い経験が浅い方がよく陥ってしまいがちな3つ、順次見ていきましょう。

① 提案書の内容と整合していない

まずは提案に示されていることが見積書の中には見当たらないというケース。
例えば、納入したシステムや機材のメンテナンスや運用支援を提案の中にがっつり入れて、きめ細かいアフターフォローをアピール。ところが見積書の中にその金額が計上されていなかったりします。

提案書は、親身なことや熱意を示すため、ついあれもやります、これもやりますと書いてしまいがち。その後予算が計上された後、自分で自分の首を閉めてしまいかねません。

② 人件費が計上されていない

自治体とのお仕事は、多くの場合はオンラインだけでは完結しません。オンラインミーティングが増えてきた昨今ではありますが、まだまだ対面での打ち合わせが主流。例えば、提案内容によっては受注した後に人件費の高いメンバーが何度も事務局仕事や打ち合わせで自治体に通うとなると、当然のことながら人件費がどんどん嵩みます。

このような場合、人件費が適切に計上されていない場合、せっかく受注しても利益が出ない事業となってしまうことも。特に遠方の自治体の業務の場合、人件費プラス旅費・交通費がかかります。
仕事を受託した後、旅費交通費を実費で精算し、受託費用とは別に自治体に請求することは原則できません。予算化のための提案書、こうしたところにも気をつけておきたいですね。

③ 値引きする

「勉強させていただきます!」「特別に30%オフとさせていただきます!」という元気な営業担当者の笑顔とともに出される見積もりがこちら。民間企業同士の商談ではよくある対応なため、多くの民間企業が見積書で大幅な値引きをしてしまいます。

もちろん低コスト・高パフォーマンスの製品やサービスの方が、自治体にとってはありがたいもの。しかしながら、事業の案件化の段階で過度な値引きをしてしまうと、その後に待っている予算措置のプロセス、特に財政部門の査定やヒアリングなどで額面がカットされることが少なくありません。

そうすると予算が確保され無事受注できたとしても、利益を出しにくい残念な業務となってしまいます。値引きするのであれば、その後の財政ヒアリングでのカットや入札・プロポーザルでの価格戦略などを考慮して見積金額を決めましょう。

見積書は提出してからがスタート

見積書は、提出された後他の書類とともに管理職のチェックや財政課の査定など、次年度予算に計上されるまで庁内を巡る旅に出ます。こうして一人歩きした際に多くのステークホルダーの目に触れ、様々な視点で精査されることに。見積書を提出するのがゴールではなく、スタートなのです。

時は10月、自治体の次年度の予算の検討がまさに今佳境に入ろうとしています。自治体から見積もり依頼があった方、ぜひ提案書の中身だけではなく見積書にも注意を払うようにしてみてください。

まとめ

今回は、自社の提案と一緒に提出する見積書のお話でした。
さて、次回はいよいよ価格戦略の核心。「入札価格」に関する諸々をテーマといたします。
どうぞお楽しみに。

株式会社LGブレイクスルー 代表取締役 古田 智子


1990年慶應義塾大学文学部卒。流通業、建設コンサルタント業を経て、1998年に総合コンサルティング会社入社、トップ営業に。コンサルタントとしても中央省庁や自治体受託業務の案件獲得活動から受託後のプロジェクトマネジメントまで一貫して携わり、多岐にわたる領域の公共事業に従事。
2013年2月、(株)LGブレイクスルー創業。企業と自治体が対等なパートナーとして連携し解決を図る社会の実現をミッションとし、自治体調達案件の勝率を高める我が国唯一のソリューション事業を展開。企業研修実績、コンサルティング実績も多数。
著書に『地方自治体に営業に行こう!!』(実業之日本社)『民間企業が自治体から仕事を受注する方法(日本実業出版社)』がある。

自治体ビジネスドットコム:https://jichitai.biz

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